ヘアカラーに含まれているジアミンにはアレルギーを引き起こす可能性があります。
単純に考えればジアミンは使わずに髪を染めることが理想的ですし、ノンジアミンカラーと呼ばれるジアミン不使用のヘアカラー剤も存在します。
また海外ではジアミンを禁止している国も存在します。
しかし日本で流通している9.5割のヘアカラー剤にはジアミンが使用されています。
なぜリスクのあるジアミンが主流として使用され、また無くすができないのでしょうか?
パッと読める目次
ジアミンとはどんなもの?
ジアミンとはヘアカラーの中で『色』の成分となります。
白髪に色を入れたり赤や青の色を表現することができるものがジアミンの役割です。
他にも色を作り出す成分はありますがジアミンは圧倒的に色の種類が多く、また色持ちが良いことが特徴です。
なぜ?アレルギーリスクのあるジアミンが使用されている理由
冒頭で海外では使用荒れていない国もあると言いましたが、なぜ日本ではジアミンが多くのカラー剤に配合されているのでしょうか?
その答えは日本人の髪質にあります。
日本人と外国人の髪質の比較
日本人 | 外国人 | |
髪質 | 太くハリコシがある | 細く柔らかい |
色素 | 色素が濃い | 色素が薄い |
習慣 | 毎日シャンプーをする | 数日に1度のシャンプー |
日本人の髪色は黒髪である確率が高く、髪を染める上では明るくすること+色を染めることの2つの工程が必要とされています。
外人の方の場合はもともと色素が薄く明るい髪色の方が多く色を染める1つの工程のみで対応することができます。
色を染めるだけであればジアミン以外の色の成分で染めることが可能ですが、明るくしながら色を染めるのであれば日本で一般的に利用されているジアミンを含むヘアカラーが有効だと考えられます。
また生活習慣においても違いがあります。日本人のように毎日髪を洗う場合は色落ちしづらいジアミンの方が色を保つことができると言えます。
日本人の髪質や生活習慣などから考えるとジアミンの使用は不可欠であり、ベストな成分であることから広く一般的に流通しています。
ジアミンがもたらすメリットとデメリット
個人的に感じている問題点の1つに使用しているユーザー(美容院で言えばお客様)がジアミンのメリットは理解しているものの、デメリットは理解していないことにあると考えています。
ジアミンアレルギーを発症された方に話を聞いていると多くの方は知らなかったと答えられます。
リスクを知らずにメリットだけを見て使用するのではなく、正しく理解した上で選択をして選ぶことが重要だと思います。
ジアミンのメリット
- 色持ちがいい
- 色の種類が豊富
- 短時間で綺麗に染められる
ジアミンを使用するメリットは他のどの染料よりも色の持続性が高いことです。
例えばヘアマニキュアはジアミンと同様にしっかりと染めることができますが、色を保つことができる期間は1〜2ヶ月ほどジアミンの方が長く保つことができます。
簡単に早く染めることができて、長い期間色を保つことができることからとても使いやすいことがジアミンの大きなメリットとなります。
ジアミンのデメリット
- アレルギーを引き起こす可能性がある
- 髪の中に一定期間残る
ジアミンを使用する上での最大のデメリットはアレルギーを引き起こす可能性があると言うことです。
髪を染めている全ての方はこれを理解しておかなくてはいけません。
接触回数が増えるごとにリスクは高くなるのでヘアカラー歴が長ければ長いほどにリスクは高くなり、40〜60代の方からの相談が多くあります。
またヘアカラー後には負荷のかかる成分はほぼ取り除くことは可能ですが、ジアミンだけは長期的に髪の中に残る性質があります。
ジアミンとどうやって付き合っていけばいい?
ここまで解説をしてきましたが、日本人の方は髪を染める上でジアミンは都合が良く今後も主流としてシェアを保つと思います。
その上で重要なことはどうやってリスクを最小限に抑えてジアミンと共存していくかということです。
個人的には次のようなことをジアミンアレルギーの予防として推奨しております。
- ジアミンとの生涯接触回数を減らす
- ジアミンとの直接接触回数を減らす
- 頭皮の自己防衛力を高める
ジアミンとの生涯接触回数を減らす
何歳まで髪を染めるのかは人それぞれですが仮に20歳〜70歳まで染め続けると仮定します。
この50年の期間にどれだけジアミンに触れたかでアレルギー発症のリスクは変わってきます。
髪を染める間隔を長くすることやジアミンと併用して他の染料を組み合わせることで一生涯にジアミンと接触する回数減らすことができます。
ジアミンとの直接接触回数を減らす
髪を染める際に頭皮からベったりと塗られていませんか?
このような場合はジアミンと濃厚接触の状態にあり、アレルギーの発症率は高くなります。
髪を染める際は可能な限り頭皮から離して塗ることが基本です。小さなことですが年間に12回×50年繰り返せば大きな差となります。
またジアミンの濃度を薄くして染めることも有効です。
頭皮の自己防衛力を高める
頭皮には適切な量の油分と水分があり、ヘアカラーによる負担から頭皮を守るバリアの役割をしています。
しかし年齢を重ねたり、ヘアカラーによる負担が大きくなればバリア機能は低下しダイレクトにダメージを受けてしまいます。
ここで重要なのが日々の頭皮ケアです。
頭皮が持っている本来のバリア機能を維持できるように健康な状態を保つことが求められます。
まとめ
- 日本人が髪を染める上でジアミンは都合が良く好まれやすい
- ただし使用する上でアレルギーを発症するリスクがある
- ジアミンとの接触をさけ、頭皮の基礎機能を高めることで予防ができる
ジアミンの能力は優れており、うまく使うことで理想的な高い能力を発揮します。
しかし使い方を間違えたり依存しすぎるとアレルギーリスクは高くなり、デメリットにもなりかねます。
髪を染める上ではこれらを理解した上でうまく付き合っていくことが重要だと考えられます。
また普段から頭皮環境を整えておくことでリスクに強い頭皮を作ることができ、結果的に健康な髪を維持することにも繋がります。
まずはできることから取り組みましょう。